自分でホームページ

費用

ホームページの維持費を全部公開する(年間1,600円の内訳)

個人事業主が自分でサイトを持つと、年間いくらかかるのか。私が実際に払っている金額を、内訳ごとに全部出します。払わずに済んだ費用と、この金額で運用するための条件も書きます。

「ホームページを持つ」と言われたとき、多くの人が最初に思い浮かべるのは、月1,000円ほどのレンタルサーバーだと思います。

私は自分の事業用サイトを、レンタルサーバーなしで運用しています。かかっているのは年に約1,600円、独自ドメイン代だけです。

金額をぼかさずに、全部出します。

結論:年間の支払いは1,600円だけ

項目 年額 内容
独自ドメイン 約1,600円 Cloudflare Registrar($10.46/年)
サーバー 0円 Cloudflare Pages
SSL証明書 0円 自動で付く
アクセス解析 0円 Cloudflare Web Analytics
合計 約1,600円 月あたり約133円

ドメイン代は2026年9月16日に実際に支払った金額です。ドル建てなので、為替で多少前後します。

以下、1項目ずつ「なぜその金額なのか」を書きます。

独自ドメイン:原価で売っている業者を選ぶ

ドメインの値段は、業者によって大きく違います。同じ .com でも、年1,500円のところもあれば、年4,000円を超えるところもあります。

同じ商品なのに値段が違うのは、業者の取り分が違うからです。

私が使っている Cloudflare Registrar は、この取り分を取らない方針を掲げています。公式には、レジストリとICANNが課す金額だけを支払う形で、更新もレジストリの定価のまま、と説明されています。実際、私が払った .com の1年分は $10.46 でした。

さらに、WHOIS情報の代理公開(プライバシー保護)が無料で、最初から有効です。他社ではここが年数百円の有料オプションになっていることがあります。個人事業主にとっては、自宅の住所が公開情報にならないという意味で、これは値段以上に重要です。

なお、更新料だけを見ればもっと安い会社もあります。3社を並べて比べた結果は独自ドメインは年いくらか。3社の更新料を比べましたに書きました。

「初年度1円」に気をつける

ドメイン業者の広告でよく見る「初年度1円」「初年度無料」は、2年目以降の更新料で回収する仕組みです。

サイトは1年でやめるものではありません。見るべきは初年度の価格ではなく、更新料です。 ここを間違えると、毎年払う金額が2倍以上変わります。

サーバー代:静的なサイトなら0円で足りる

サーバー代が0円なのは、サイトが「静的」だからです。

静的というのは、訪問者が来るたびにサーバー側で計算をしない、という意味です。できあがったHTMLをそのまま返すだけ。案内・料金表・写真・問い合わせ先を載せるようなサイトは、これで足ります。

WordPressは逆で、訪問者が来るたびにサーバー側でページを組み立てます。だから毎月サーバー代がかかるし、遅くなるし、更新を放置するとセキュリティの問題が出ます。組み立て直す必要がないサイトに、その仕組みを使う理由はありません。

Cloudflare Pages の無料プランは、静的なファイルについては転送量もリクエスト数も無制限です。公開までの手順はCloudflare Pagesで独自ドメインのサイトを公開する手順に書きました。

気をつけたこと:無料でも商用禁止のサービスがある

ここは実際に私が引っかかったところです。

私はもともと別の無料サービスを使っていました。ところがその規約には「非商用の個人利用のみ」と書かれていて、事業の宣伝は商用に当たります。気づいて引っ越しました。

引っ越し自体はうまくいったのですが、同じサーバーから配信していた有料アプリ2本は移せませんでした。 詳しくは無料のレンタルサーバーで事業用サイトを運用してはいけない理由に書きましたが、ひとことで言うと、お客さんのデータが消えるから動かせなかったのです。

安く済ませること自体は正しい。ただし、規約と「あとで引っ越せるか」を先に確認してからでないと、安さが高くつきます。

払わずに済んだ費用

この構成にしたことで、かからなかったものを挙げます。

  • 月々のサーバー代
  • SSL証明書の費用(自動で付くため)
  • WordPressのテーマ代
  • 有料プラグイン代
  • 保守・更新代行費
  • バックアップサービス代

最後の3つについて補足します。WordPressは本体・テーマ・プラグインが別々に更新され、放っておくと壊れたり、乗っ取られたりします。だから保守を業者に任せる人が多い。静的なサイトには、更新しないと壊れるものがありません。 保守費が発生しないのは、サボっているからではなく、保守するものが無いからです。

相場は、この記事では書きません

レンタルサーバー+WordPressで作った場合、年いくらになるのか。気になるところだと思います。

でも私はその構成にお金を払っていないので、この記事では金額を書きません。 契約していない商品の値段を「相場はこのくらいです」と書くのは、調べた数字を自分の実感のように見せることになります。

実際に見積もりを取ったうえで、別の記事にします。

私が払わなかった、もう一つの選択肢

参考までに、比較して見送った選択肢も書いておきます。

元の無料サービスには有料プランがあり、そちらなら商用利用が認められていました。価格は月$20(プラットフォーム利用料。2026年9月16日に公式ドキュメントで確認)。年にすると$240、日本円でおよそ36,000円です。

つまり私の選択は、「年36,000円払って今のサービスに残る」か「年1,600円のドメインを買って引っ越す」かでした。20倍以上の差があったので、迷いませんでした。

ここで言いたいのは、金額そのものより判断の順番です。「高いから無理」と決める前に、代わりの選択肢が同じ桁かどうかを確かめる。 私は最初、1,600円のドメイン代すら惜しんでいました。36,000円と並べて初めて、これは安い保険だと分かりました。

この金額で運用するための条件

正直に条件も書きます。次のどれかに当てはまる場合、この金額では収まりません。

  • サイトの中で直接カード決済をしたい — Cloudflareの無料プランでは、サイト上でカード情報を扱うことが禁止されています。外部の決済サービスへ誘導する形にすれば問題ありません
  • 予約システムや会員機能が必要 — 外部サービスを使うなら、その利用料がかかります
  • 自分で更新する時間がない — 技術の問題ではなく、時間の問題です
  • 写真や動画を大量に載せたい — ファイル数と容量に上限があります

逆に言えば、「案内を載せて、電話と地図と料金表が見られればいい」というサイトなら、年1,600円で足ります。 多くの小さな事業にとって、必要なのはそれだけだと思います。

よくある質問

本当に年1,600円だけで運用できているのですか

サーバー代はかかっていません。支払っているのは独自ドメインの更新料だけです。ただし自分でサイトを作る前提の金額で、制作を人に頼めばその費用は別にかかります。

なぜドメイン代だけ払うのですか。無料のままでは駄目ですか

趣味のサイトなら無料のままで問題ありません。事業用だと、無料のアドレスは信用されにくいうえ、あとで引っ越すときに検索の評価をまるごと捨てることになります。年1,600円はその保険代です。

この金額でどこまでできますか

案内・料金表・写真・問い合わせ先を載せる、いわゆる会社案内のサイトなら十分です。サイトの中で直接カード決済をしたい場合は、この構成では足りません。